「舞台」タグアーカイブ

平等と公平〜3人のプリンシパル〜

乃木坂を応援し始めてもうすぐ5年。
このたび初めて、プリンシパルとやらを池袋サンシャイン劇場で観てきました。

ただの感想を書いても取り留めもないものになってしまうので、公演(一幕目)を見ながら考えた、「平等と公平」という概念について交えながら書こうと思います。

乃木坂46「プリンシパル公演」の概要

「概要」としましたが、わざわざ書くほどのことでもないのでリンクをどーんと貼らせていただきます。
16人のプリンシパル – Wikipedia 

プリンシパルの何より大きな特徴は、公演が第一幕(二幕のオーディション、という設定の演劇)と第二幕(本編。今作はロミオとジュリエット)に分かれており、観客の投票結果で第二幕の出演者が決まるという点。
その第一幕「オーディション」の構成に、不満は全くないんですが、公平性を欠いているなと感じる部分がありました。

4/21(日)昼公演の結果

僕が観劇した4/21(日)昼公演は、ロミオ役を賀喜遥香、ジュリエット役を田村真佑、それ以外全部役を早川聖来が射止めました。
投票したのは賀喜遥香(ロミオ)、北川悠理(ジュリエット)、早川聖来(それ以外全部)だったのでほぼ観たかった配役は実現されたと言っていいです。
ただ、4期生の推しは北川悠理ちゃんなので、ジュリエットは彼女の演技で観たかったなという気持ちが正直なところ。

北川悠理がジュリエット役を獲得し得たのではないか?

10人全員のオーディションを見た結果、僕としてはジュリエット役は北川悠理か田村真佑になるだろうなという実感はありました。
ジュリエット役に立候補したのは5名でしたが、大まかに演技の方向性は2グループ。きゃぴきゃぴ系か、おっとり系か。
おっとり系好みの観客は北川悠理に投票する一方で、きゃぴきゃぴ系の4名の中では田村真佑の演技が最も魅力的で、その上その他の3名は票が割れるだろうと考えたためです。

「自分の推しだから」というひいき目を差し引いても、オーディション途中までは「北川悠理がジュリエット役にまず選ばれるだろう」と確信していました。
10人の中で初めに筒井、北川、掛橋のジュリエット立候補が表明され、その後は他配役立候補者の演技に移ったためです。

「まあこの3人の中なら一番悠理ちゃんの演技が魅力的だっただろう」と安直に考え、他メンバーの演技に集中していました。

すると、
「田村真佑、ジュリエット役に立候補します!」。

あ、これって配役ごとにまとめてオーディション演技をするんじゃないのね、とその場でようやく理解。

人間の記憶というものは、あとから繰り返されたものにどんどんと塗り替えられていき、それ以前の記憶はすぐに薄れてしまいます。
ただでさえ他メンバーの演技を挟んで前3人のジュリエットの演技が観客の記憶から薄れかけていたところに!追い打ちをかけるようにジュリエット立候補者がさらに2人も!!

一般的に言われていることですが、人間が一度に横並びに記憶できる情報は3つ前後です。
5人の情報をフラットに渡されても整理が難しいのに、時系列に記憶が、情報が、上塗りされてゆくのです。

観客はメモを取ることすらできない暗闇の中。こんな環境で、どうしたら彼女たちの演技を客観的に比較し、公平に評価することができたでしょうか。

一幕は「公平」であるべきか、「平等」で十分なのか。

今回公演を観ての総合的な感想は「ロミオ役とその他全部役が観たかったメンバーで最高!田村真佑ジュリエットも最高だった!!」なのは先ほど述べた通り。
ですのでこんなことをわざわざ言う必要もないんですが、あの「オーディション」は、本当に公平なものと言えるのでしょうか?

極論ではありますが一例。

今回一度も二幕に進むことのなかった柴田柚菜。
例えばロミオ役に彼女と他1人しか立候補せず、そして、10人の中の先頭でそのうちの1人が立候補を表明したとします。
もしも柚菜ちゃんの演技の順番が、大トリ10番目だったとしたら?腹の底から「お願いします!私は二幕で演技がしたいんです!!」と観客を前に叫び切ったとしたら?

同時に全員が立候補を発表をするわけにはもちろんいきませんが、せめて順序の力学には目を向けるべきだったのではないかと思います。

例えば
①立候補する役ごとに発表順をまとめる
②事前に各役の立候補者が何名になるか発表しておく
③その役の立候補者全員が演技を終えたら、客席の照明を薄明るくしてメモを取る時間を設ける
など。

メンバーが舞台上でギリギリまで悩んで立候補役を決めることも無くはないんでしょうが、だとしたら立候補発表は遅ければ遅いだけ圧倒的に有利になります。(観客はメモさえも取れずに前半の記憶が明瞭に残ることはまず考えにくいため、「圧倒的」としました)

各メンバー単位で見れば与えられた時間、条件は「平等」ではありますから、”各人の努力と策略が光る場”と言い捨ててしまえばそれまでです。

「あんなの公平じゃない!あまりにも乱暴だ!!」と糾弾する気は更々ありませんが、ここまで述べてきたように、「公平とは何か」という点に運営側の考慮が全く及んでいないように舞台を見ていて感じました。

次回プリンシパル公演がある際には、そういった観点にも少しでも目が向けられることがあれば良いなと思います。

乃木坂46 3期生公演「見殺し姫」を観ての、雑記

興奮は冷めやらぬうちにという事で、山手線に揺られながら記事を書き始めました。タイトルの通りで話題は「見殺し姫」。乃木坂オタでも無いと馴染みのないであろうこのワード。乃木坂が好き!と言っている人でも、ライトな人には何のことやらかと思われます。
そんな、「見殺し姫」。3期生が行った舞台公演です。
舞台は平安時代。諸国から人質として都へと集められた12人の娘が、世間では鬼として嫌われる治世者「おとど」を母と慕い、おとどが病床に伏せり命を狙われる身になるとおとどを守りたい一心で自警団のようなものを組織します。ここで12人の絆は深まるものの「母」であるおとどを失い帰る場所を失った12人。おとどを守るために世を暗躍していた過去もあり、今度は彼女らが命を狙われるようになります。その結果、戦で命を落とすもの、仲間を守るために身を捧げるもの、親族の迎えが来たもの…等々で12人は散り散りになってしまいます。
3期生が演者として舞台に立つのは今年2月に行われた「3人のプリンシプル」ぶり。ステージは同じく渋谷のAiiA 2.5 Theater Tokyoですが、チケットの価格が4600円から7800円へとごつんとアップしました。

 

先行販売1次2次と落選し、途方に暮れながらも観に行きたい気持ちは変わらず持っていたのですが、今日ツイッターをみていたら、当日券があるとの情報を入手!17:00の抽選開始に合わせて渋谷へと向かいました。
並んで待つこと15分。当日券を目当てに集まったファンは150ほど。順番にクジを引いていく様子が見えましたが、当たりを引いているのは15人に1人といったところ。高倍率は覚悟していたものの、現実は甘くないなと覚悟を決め、クジ箱へ。。

引きました!良く分からないけど当たったらしい!!

チケット受付の方から引換券らしきものを受け取り、「基本的にはご案内出来ますが、100%ではありませんのでご承知ください」との案内を受けました。
見殺し姫の当日券

開演も15分後に迫った18:15に再び会場へ。キャンセル待ち整理券を渡された7人が番号順に並べられ、緊迫した空気の中一人ずつ受付へ呼ばれ、購入手続きが進みます。
チケット受け渡し
自分は4番で、チケットは購入できるだろうとタカをくくっていたものの、開演まで10分を切っていたのでドキドキ。

どうにか、チケットを入手!!値段は定価の7800円で購入で、手数料もかからなかったし、むしろ先行で当てるよりこれで良かったのでは?と少し浮かれ気分。
見殺し姫の当日券チケット
座席は7列目にある車椅子スペースに用意されたパイプ椅子。下手のかなり端寄りでしたが、定期的に入れ替わり立ち替わりでメンバーは前にやって来たので大満足でした。

 

購入したパンフレットにさーっと目を通すと、瞬く間に開演。幕は降りていなかったので、少しずつ照明が暗転し、ピンスポットが舞台中央に座る翁へ。
平家物語「祇園精舎の〜」を、唸るような、どこか寂しげな声で読み上げる翁。この舞台のテーマの一つとして、「盛者必衰」が据えられていたんだろうと思います。
自分が感じたこの舞台のテーマは、この「盛者必衰」と、「家族と仲間」というもの。平安時代なのに設定が乱世だったりとSF的要素以前のツッコミどころはいくつかあったんですが、舞台を見るのに支障があるほどの問題でなく、かなりキツかったであろう縛りの中でよくこれだけのものが創り上げられたなと少し感動しました。

監督のインタビューではメンバーと一斉面接を行なった上でキャラクター作りを進めたとありましたが、それにしても良くこれだけのハマり役を12も作ってストーリーに落とし込んだなと感心してしまう配役。
日記を日頃認める文学少女として、物語の読み手も務めていた久保。少しお転婆な、「平安…?」と首を傾げたくなる山下(結果、いいアクセントになっている役だったなと思います)。弓道の鍛錬に励む、男勝りな向井。言葉少なながらも、横笛を使って虫を操る大園。などなど。他のメンバーの陰に普段はやや隠れがちな中村の超能力にキーポイントを持って来たりしていたのも、人の使い方が上手いな〜と感心してしまいました。

どのメンバーもフィーチャーされる場面がそれぞれありましたが、基本は久保山下のくぼしたコンビを中心に物語は展開されます。先に紹介したようなあらすじで、どのメンバーにもアピールの機会はあったように思いましたが、物語全般を通じて目に留まったのはこの2メンバーの演技力もとい存在感。
久保は主に物語の静を担っている一方で、山下はお転婆な動。動というより、よう(陽・揚・蓉・踊・謡…)の方がしっくり来るような、観ていて努力が感じられる、とても初々しく広々とした演技でした。小さな所作に作り込みが感じられたのと、動きのない場面でも目線を縦横無尽に使って感情を表現していたりと、まだ少しわざとらしさもありますが、将来に期待ができるなと感じました。
そして久保は、物語を回していく中心人物として、物怖じを感じさせない、堂々とした、それでいて柔らかな演技でした。どうしても舞台ということで目の前にポーンと声を飛ばすメンバーが多いんですが、久保の声は張りだとか圧は感じさせないんですが、その代わりに会場全体を包むような、凄く広さのある声だなと思いました。

3期生のパフォーマンスを見る度に、「デビューから一年足らずなのにプロフェッショナルの域に達していて凄いなあ」と思わされるんですが、これはやはり、2期生の反省を活かした運営の育成が効いてるんでしょうか。1年前まではどのメンバーも普通の女の子だったわけで、どこかボロが出たりしてしまっても仕方ないよなぁとは思いながら観ているんですが、まったくそんな心配はなく、この舞台も素晴らしい仕上がりでした。
この先どのメンバーがどういう方向に活動を伸ばしていくのかは分かりませんが、12人ともまだまだ2年目。これからの活動が楽しみです。
雑記でした、ご覧いただきありがとうございました!
見殺し姫のポスター